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JOURNAL

ものつくりの背景とお知らせ。

2018.02.20

OYOBARE Pants

   

お呼ばれとは 人から食事などのもてなしに招かれること。もてなし に 招かれる この単語2つで頭に浮かぶ服は 清潔感 があって キチンとみえて、相手やその場に居る人に失礼にならないことを意識してしまいます。相手が誰で、場所は何処で、時間は、他にもどんな趣旨の会なのか、あまり意識をしすぎると何を着たらいいのか迷ってしまいます。でも招く立場になってみると一緒に楽しい時間を過ごしたいと思っているはずです。考え方を楽しむ為の服に変えることで選ぶこと自体が楽しくなります。自分なりに相手への敬意を持って選んだ服は着ている自分が楽しくなりそれは相手にも伝わりその場面を楽しめるはずです。
生地について、キチンと見えるとなるとウール素材をおすすめします。ウール素材でしっかりとセンタープレスされたパンツはいつの時代も正装と見られます。ウールの中でも梳毛(そもう)と言われる軽くて毛足が短い生地は主に春夏で使われます。今回はこの梳毛の中から選びました。生地の決め手は なめらかな風合いと品のある光沢、そして着心地のいい ストレッチ性です。見た目にはシルクの持つ独特な光沢感があり、極細と言われる糸で織られた 繊細な表面感は高級感も感じられます。着心地はとても軽く、さらっとしたという表現がぴったりな肌触りに、ストレッチ性もあるストレスのない着心地の生地です。
デザインディティールについて、清潔感やキチンと感それにお呼ばれを楽しむためのデザインを加えています。楽しむためのデザインとは「今」を感じられるディティールです。今までに古着やデットストックなどを参考資料に服を作ったことがありますが、そこには時代感が強く現れた服が多くありました。当時の流行であったと思われる見た目にデザインされている服や、ミリタリーや作業服等は 強度や機能そして大量生産を追求した縫う工程少なくすることを考えた仕様。ジャケットやスラックス、スーツなどには当時の職人による手作業としか考えられない仕様が多く見られます。どれもその時代は最新であり最良だったと思います。見た目のデザインやサイジング、そして縫製仕様など、どの時代も先人達の「今」が入った服でありそれが着ることの楽しさにつながっていると思います。
ウエストについて、最近はイージーパンツと言われるウエスト部分にゴムや紐が入ったパンツが主流で股上も以前から比べると全体的に深くなっています。このパンツはウエストベルト自体を柔らかい仕上がりにすることで、ウエスト部分の硬さのストレスを無くしウエスト位置を多少上下しても違和感なく着ることができます。
右脇のZIPポケットは携帯電話用として作りました。携帯電話は常に携帯するので 歩く、座る、しゃがむ、など普段の動作を考え脇に配置。また、座った時に滑り落ちることを考えZIPを付けました。
ひざ裏地と袋布をメッシュに。通常は前身頃の裏地(ひざ裏)にはポリエステルやキュプラなどの裏地と言われる布を使用し、ポケット の袋布にはスレキと言われる専用の袋布を使用します。通常のひざ裏は汗ばむと肌に吸い付くことがあり 、袋布は 腰回りの蒸れの軽減のために肌に触れる片側の袋布をメッシュ地にしました。
裾のダーツは足元の靴の多様化を意識しました。革靴、スニーカー、サンダル、大きく分けても3つもあり、コンセプトに沿ったコーディネートを考えても足元は革靴とは限りません。このダーツはセンタープレスに隠れながらも着た時にダーツ本来の立体感が生まれます。この少しの立体感 があることでスニーカーやサンダルなどカジュアルな足元でも違和感なく合わせられます。
シルエットについて、スラックスらしく着ていてキチンと見えるようにウエストからヒップまではゆとりは持たせず、ヒップから下にはしっかりセンタープレスが入るようにゆとりを持たせ横からみた時にプレスが立つように裾にかけて緩やかにテーパードさせています。人の体型は顔と同じく千差万別同じ体型の人はいないので全ての人に綺麗なシルエットです。とは言い切れませんが、私達が特に注意している箇所があります 。フロントファスナー止まり周辺のシワ、後ろポケットの位置、ヒップのくい込み、歩く、座る、しゃがむ、の動作性 、シルエットとは少し違う内容も含まれますが全体の見え方での注意点です。後ろから見たポケット位置とヒップのくい込みはバランスよく配置し調整すると後ろ姿に締まりが出ます。動作性は服つくりであたりまえの確認かもしれませんが見た目のフォルムやシルエットを追求するとこの動作がしにくい服になることがあるので注意をしています。
股下の長さについて、パンツはこの股下の長さがとても重要です。敢えて同じポーズで同じ靴で同じトップスで写真を撮りました。どちらもオススメの長さです。一概には言えませんが、年齢が若い人は丈上げをしないのか長すぎる人が多く、年齢が高い人は少しだけ短い傾向があるように思います。 丈上げする時にウエストの位置を何度も確認してから丈上げ位置を決めることをオススメします。自分好みの股下の長さを探してみるとパンツの見え方は大きく変わります。
お手入れについて、普段のお手入れは洗濯ネームにも書いてあるので読んでください。このパンツの洗濯はウール素材なのでクリーニング店をオススメします。センタープレスが消えてきたらハンカチなどでもいいので当て布をして中温でアイロンをかけてください。きれいにアイロンをかけるだけでパンツがリセットされ気持ちよく着ることができます。

OYOBARE Pants

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